
こんにちは、映画マニアのゆっちゃんです。
私は映画が大好きです。
特に、戦争を題材にした映画は、ただ「怖かった」「悲しかった」で終わらず、観終わったあとにいろいろなことを考えさせられる作品が多いと感じています。
私は戦争を経験していません。
それでも、戦争を描いた映画や本に触れることで、そこで生きていた人たちがどんな思いをしていたのか、少しでも想像することはできます。
毎日、何のストレスもなく家のドアを開けて、青空の下を歩ける。
そんな何気ない日常が、決して当たり前ではないんだな……。
戦争を描いた映画を観るたびに、そんなことを感じます。
今回は、第二次世界大戦中のナチス・ドイツによる迫害や、ホロコーストを背景にした映画の中から、私が印象に残った5作品をご紹介します。
どれも重いテーマを扱った作品です。
でも、過去に何が起きたのかを知るきっかけとして、映画だからこそ伝わってくるものもあると思います。
ご興味のある作品がありましたら、ぜひご覧くださいね。
1)『サウルの息子』|収容所の現実を追体験するような映画
『サウルの息子』は、2015年に公開されたハンガリー映画です。
ラースロー・ネメシュ監督の長編デビュー作で、2015年のカンヌ国際映画祭ではグランプリを受賞。
さらに2016年のアカデミー賞では外国語映画賞、ゴールデングローブ賞でも外国語映画賞を受賞しています。
物語の舞台は、第二次世界大戦中のアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所。
主人公のサウルは、ユダヤ人囚人によって構成された「ゾンダーコマンド」の一員として、ガス室や火葬場に関わる過酷な作業を強制されています。
そんなある日、サウルはひとりの少年の遺体を見つけます。
その少年を自分の息子だと思ったサウルは、なんとかきちんと弔いたいと考え、遺体を埋葬するためにラビを探し始めます。
ここで私は、「ゾンダーコマンド」という言葉を初めて知りました。
強制収容所では、ユダヤ人囚人などがゾンダーコマンドとして、ガス室や火葬場に関わる非常に過酷な作業を強制されていました。
この映画で強烈に印象に残ったのが、カメラの撮り方です。
カメラはサウルのすぐそばを追いかけるように動きます。
そのため、まるで自分まで収容所の中を歩いているような感覚になってしまうんです。
何が起きているのかをすべて説明するのではなく、サウルの視界を通して、断片的に見せていく。
その映像が、とても息苦しく感じられました。
「地獄とは、こういう光景を言うのかもしれない」
そんなことまで考えてしまう作品です。
そして、極限状態の中でサウルがどうしても成し遂げようとする「弔い」とはいったい何なのか。
観終わったあとも、その問いがずっと心に残りました。
◆『サウルの息子』作品情報
- 製作年:2015年
- 上映時間:107分
- 監督:ラースロー・ネメシュ
- 出演:ルーリグ・ゲーザ、モルナール・レヴェンテ、ウルス・レヒン、トッド・シャルモンほか
◆ゆっちゃんのひとこと
怖いというより、「そこにいるような感覚」が残る映画でした。
何度も観返したい作品ではありません。
でも、一度観たら簡単には忘れられない。
そんな映画です。
2)『黄色い星の子供たち』|フランスで起きたユダヤ人一斉検挙
『黄色い星の子供たち』は、2010年のフランス映画です。
第二次世界大戦中、ナチス・ドイツ占領下のフランスで起きた「ヴェル・ディヴ大量検挙事件」を題材にしています。
1942年7月、フランスの警察などによってユダヤ人の大規模な一斉検挙が行われました。
この事件では、13,000人を超えるユダヤ人が検挙され、その中には4,000人を超える子どもたちも含まれていました。
映画では、医師や看護師、子どもたち、そして検挙されたユダヤ人たちの姿を通して、この出来事が描かれています。
私が観ていて胸が締め付けられたのは、親と子どもが引き離される場面です。
子どもたちは、何が起きているのかも十分に理解できないまま、大人たちに連れていかれてしまいます。
その無邪気さが、かえって悲しく感じられました。
「まさか自分たちが捕まることはないだろう」
そんな思いを抱いていた人もいたのかもしれません。
情報が十分に伝わらない状況で、突然日常が壊されてしまう。
それを想像すると、本当に恐ろしいことだと思います。
映画を観ていると、母親と子どもが引き離される場面に、自分のことのような苦しさを感じました。
そして、こうした出来事が実際に起きたことを考えると、映画の中だけの話として片づけることはできません。
なお、ヴェル・ディヴ事件については、1995年にフランスのシラク大統領が、フランス国家と警察がユダヤ人迫害に果たした役割を認めています。
◆『黄色い星の子供たち』作品情報
- 製作年:2010年
- 上映時間:125分
- 監督:ローズ・ボッシュ
- 出演:メラニー・ロラン、ジャン・レノ、ガド・エルマレほか
◆ゆっちゃんのひとこと
子どもたちの姿が、いつまでも心に残る映画です。
戦争というものが、大人だけではなく、何も知らない子どもたちの日常まで奪ってしまうことを改めて感じました。
3)『定められし運命』|ナチスの人種政策に翻弄される少女たち
『定められし運命』は、第二次世界大戦中のフランス・アルザスを舞台に、ナチスの人種政策によって過酷な運命に巻き込まれていく少女たちを描いた作品です。
この映画を観て、私は「レーベンスボルン」という言葉を知りました。
レーベンスボルンは「生命の泉」という意味を持ち、ナチスの人種政策のもとで1935年にSSによって設立された制度です。
いわゆる「アーリア人」とされた人々の出産を促すことを目的とし、未婚の妊婦に対する支援や出産施設、養子縁組などにも関わっていました。
また、戦争が進むにつれて、外国の子どもを連れ去り、ドイツ人家庭で育てる政策にも関与するようになります。
映画では、そんなナチスの人種思想に少女たちが翻弄されていきます。
自分ではどうすることもできない大きな力によって、人生を決められてしまう。
その理不尽さが、とても苦しく感じられました。
2人の少女の運命が大きく分かれていくところも印象的です。
それでも、少女たちの純粋さや強さには、思わず応援したくなりました。
特にルイーズ・エレーロ演じる少女の存在感が印象に残っています。
◆『定められし運命』作品情報
- 製作年:2012年
- 上映時間:91分
- 監督:ドゥニ・マルバル
- 出演:フロール・ボナヴェントゥーラ、ルイーズ・エレーロ、マーシャ・メリルほか
◆ゆっちゃんのひとこと
ナチスの人種思想について詳しく知らなくても、少女たちの目線で観ることで、その理不尽さが伝わってくる作品です。
重いテーマですが、少女たちの姿が心に残りました。
4)『サラの鍵』|過去と現在をつなぐ物語
『サラの鍵』も、ヴェル・ディヴ大量検挙事件を背景にした映画です。
主人公は、10歳の少女サラ。
1942年、フランス警察が家にやってきたとき、サラは弟を納戸に隠し、外から鍵をかけます。
「弟を守るため」という思いから取った行動でした。
ところが、サラ自身はそのまま連行されてしまいます。
そして物語は現代へ。
女性ジャーナリストのジュリアがヴェル・ディヴ事件について調べていくうちに、サラという少女の存在にたどり着きます。
過去のサラの物語と、現代のジュリアの物語。
2つの時間を行き来しながら、少しずつサラの人生が明らかになっていきます。
この映画は、ただ戦争の悲惨さを描くだけではありません。
「過去に起きたことを、私たちはどう受け止めるのか」
そんなことも考えさせられます。
家族との別れ。
友人との別れ。
大切な人との別れ。
戦争によって、人と人とのつながりまで壊されてしまうことが、とても悲しく感じられました。
それでも、最後にはわずかな希望を感じさせるところがあります。
重い作品ですが、観終わったあとに残るものがありました。
◆『サラの鍵』作品情報
- 製作年:2010年
- 上映時間:111分
- 監督:ジル・パケ=ブレネール
- 出演:クリスティン・スコット・トーマス、メリュジーヌ・マヤンス、ニエル・アレストリュプ、エイダン・クインほか
◆ゆっちゃんのひとこと
過去と現在を行き来するストーリーが、とても印象的でした。
戦争が終われば、すべてが終わるわけではない。
残された人たちの人生にも、その影響が続いていくんだなと感じた作品です。
5)『否定と肯定』|ホロコースト否定論をめぐる裁判
SNSなどでさまざまな情報が飛び交う現在。
私たちは、いったい何を信じればいいのでしょうか。
そんなことを考えさせられるのが『否定と肯定』です。
この映画は、実際に起きた裁判をもとにしています。
アメリカのホロコースト研究者デボラ・E・リップシュタットと、ホロコースト否定論を唱えていたイギリス人作家デヴィッド・アーヴィングとの法廷闘争を描いた作品です。
アーヴィングはリップシュタットを名誉毀損で訴えます。
イギリスの裁判制度では、この裁判においてリップシュタット側が、ホロコーストが実際に起きたことなどを立証する必要がありました。
映画で興味深かったのは、リップシュタット本人が法廷で感情的に戦うのではなく、弁護団が資料や証拠を積み重ねながら裁判に挑んでいくところです。
「絶対に許せない」
そんな感情だけで戦うのではなく、事実を一つひとつ積み重ねていく。
その姿が、とても印象に残りました。
歴史的な出来事についても、証拠をもとに検証することがどれほど大切なのかを考えさせられます。
レイチェル・ワイズの演技も印象的でした。
以前『ナイロビの蜂』などで観たときとはまた違う魅力を感じました。
真実を追いかけるために、専門家や弁護士たちがチームとなって立ち向かっていく作品という意味では、『スポットライト 世紀のスクープ』を思い出しました。
◆『否定と肯定』作品情報
- 製作年:2016年
- 上映時間:110分
- 監督:ミック・ジャクソン
- 出演:レイチェル・ワイズ、トム・ウィルキンソン、ティモシー・スポール、アンドリュー・スコット、ジャック・ロウデンほか
◆ゆっちゃんのひとこと
感情ではなく、証拠を積み重ねていく姿が印象的な映画でした。
歴史を知ることだけでなく、「事実を確かめることの大切さ」についても考えさせられる作品です。
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Amazonプライムで『否定と肯定』を視聴する >6)まとめ|映画を通して、過去を知る
今回は、ナチス・ドイツによる迫害やホロコーストを背景にした映画を5作品ご紹介しました。
- 『サウルの息子』
- 『黄色い星の子供たち』
- 『定められし運命』
- 『サラの鍵』
- 『否定と肯定』
どの作品も、決して軽い気持ちで観られる映画ではありません。
でも、戦争や迫害について、歴史の教科書を読むだけでは感じにくいものを、映画から受け取ることもあると思います。
私は戦争を経験していません。
だからこそ、映画や本を通して過去に何が起きたのかを知り、想像することを大切にしたいと思っています。
家を出て、普通に道を歩く。
好きな映画を観る。
家族と食事をする。
そんな何気ない毎日が続いていることは、本当はとてもありがたいことなのかもしれません。
戦争によって、それまで当たり前だった日常を突然奪われた人たちがたくさんいた。
そのことを忘れないためにも、こうした映画を観る意味があるのだと思います。
重いテーマの作品が多いですが、気になる映画がありましたら、ぜひ一度ご覧になってみてくださいね。
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