こんにちは
映画マニアのワーキングマザー、ゆっちゃんです。
人生の出来事、そのひとつひとつが映画になった。
映画「フェイブルマンズ」のキャッチコピーです。
この映画は、映画界の巨匠スティーブン・スピルバーグの7歳~18歳までの時代をスピルバーグ自身が監督した作品なんです。
「激突!」「未知との遭遇」「ジョーズ」「E.T.」「インディー・ジョーンズ」など記憶に残るヒット作を次から次へ生み出してきたスピルバーグが、映画監督になる夢をかなえた実体験を描いた作品だなんて、とても興味深いですよね。
スピルバーグは、この自伝的作品を作るために、長年一緒に仕事をしてきたスタッフを大集結させたんです。
なぜなら、撮影現場にはしょっちゅう彼の両親が来ていたからなんですって。
自分の親を知っているスタッフが一緒なら安心して自分の自伝映画を作れますよね。
すごいのは、たくさんの名作を残したスピルバーグが、自分と母親の秘密を誰にも打ち明けなかったのに、今回その部分に踏み込み、私たちにオープンにしてくれたことです。
スピルバーグの母親(リア)は、2017年に逝去、父親(アーノルド)は2020年に逝去しました。
コロナ渦に入り、今後どうなるかわからないということでスピルバーグは、自分を振り返り始め、古い付き合いのある脚本家トニー・シュクナーに相談したのがこの映画のきっかけのようです。
今回は、今上映中の映画「フェイブルマンズ」についてレビューしたいと思います。
製作年:2022年
時間:151分
監督:スティーブン・スピルバーグ
共同脚本:トニー・クシュナー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
編集:マイケル・カーン
出演:ミッシェル・ウィリアムズ、ポール・ダノ、セス・ローゲン、ガブリエル・ラベル、ジャド・ハーシュ、デビッド・リンチ等
映画「フェイブルマンズ」は、第95回アカデミー賞(2023年)で、7部門ノミネートされ、第80回ゴールデングローブ賞(2023年)では、5部門ノミネートされ、2部門(作品賞・監督賞)を受賞しています。
1)映画「フェイブルマンズ」のあらすじ
最初に、映画「フェイブルマンズ」のあらすじをご紹介しますね。
ネタバレはありませんのでご安心ください。
1952年、ニュージャージーに住む少年サミー・フェイブルマンは、暗いところが苦手でしたが、エンジニアの父親バートとピアニストの母親ミッツィに連れられて、映画館にやってきました。
B・デミル監督の「地上最大のショウ」が上映され、その中の列車と自動車が衝突するシーンに、サミーはとても興奮します。
そして、クリスマスのプレゼントで、毎年少しずつ列車の車両やレールを買い、部屋の中に列車を走らせるようになると、「地上最大のショウ」の中の衝突シーンを何回も再現し始めます。
何回も衝突させているサミーを見て、母のミッツィは8mmカメラをプレゼントし、何度も衝突させなくても撮影すれば何度も見ることができるし、模型の汽車も壊れないと教えてくれました、
数年後、父親のバートは、功績を認められ、GE社にスカウトされたため、家族はアリゾナへ引っ越すことになります。
バートと一緒に働いていたベニーとはお別れのはずでしたが、子供たちから慕われていたこと、母親のミッツィからの強い希望もあり、一緒に行くことになりました。
サミーは、10代になりボーイスカウトに入団。
ある日、ジョン・フォード監督の「リバティ・バランスを射った男」を観て、戦争映画を撮ろうと決心し、構想を練ります。
しかしながら、大作を撮るには、より性能のよい8mmカメラが必要でしたが、バートは、趣味のためにそんな高いもの買えないと突き放します。
同時期、ミッツィの母が逝去し、彼女が悲しみに伏せてしまったのを見てバートは、彼女を励ましたいと考えます。
そして、サミーに性能の良い8mmカメラを買ってあげて、ベニーと家族でキャンプに行き、映画を作ってほしいと頼みました。
サミーは、40人も集めて戦争映画を撮る予定でしたが、バートに「ママを癒す方が大事だ!」と押し切られてしまいます。
翌日、予期せぬ客(ミッツィの母の兄)ボリスがやってきます。
彼は、ライオンの調教師からハリウッドで映画製作に携わったという変わり者でした。
サミーだけは、映画について熱く語るボリスに興味津々!
そして、ボリスは、「お前には芸術家の血が流れている」とサミーに伝えたうえで、「芸術は、輝かしい反面、家族と衝突し、胸が引き裂かれ、孤独をもたらす」と忠告しました。
その後、サミーは、家族と行ったキャンプ旅行のフィルムを編集し始めました。
しかし、編集していくにつれ、サミーは顔色が変わり、あることに気づいてしまうのでした。
この先、サミーにはいろいろな試練が待ち受けていますが、続きはぜひ映画をご覧くださいね。
2)映画「フェイブルマンズ」の感想
次に映画「フェイブルマンズ」の感想をご紹介しますね。
私は、「フェイブルマンズ」がスピルバーグの自伝映画と聞いて、飛びつくように映画館に行きました。
なぜなら、スピルバーグの作品が大好きだからです。
私が10代の頃、「激突!」を見てから「未知との遭遇」「ジョーズ」「レイダース」「E.T.」「インディー・ジョーンズ」「ジュラシック・パーク」「シンドラーのリスト」「プライベートライアン」等等、たくさんの作品を観てきましたが、どれもまた観たい作品ばかりでした。
だから、これだけの素晴らしい作品を作ってきたスピルバーグが映画監督になったきっかけを知ることができる映画だなんて、観ないわけにはいきませんよね。
しかも、スピルバーグ自身が脚本・監督をするんですから!
題名のフェイブルマンズとは、サミー・フェイブルマンの家族を意味しています。
サミーは、天才肌のエンジニアの父とピアニストという芸術家の母、そして3人の妹に囲まれて暮らしていました。
エンジニアと芸術家という一見対照的なタイプの両親というのも珍しいような気がしましたが、対照的だからこそお互いに無いものへのあこがれがあったのかもしれませんね。
そして、母親の「すべての出来事には、意味がある」というセリフが、とても印象的でした。
この言葉は、サミーの胸に強く響いたのではないでしょうか?
映画製作に没頭しているサミーは、製作を続けていく中で「真実」を撮ることもできるし、「嘘」を撮ることもできると学びます。
確かに、ドキュメンタリーを撮るようにありのままをとれば、それが「真実」として伝わりますし、脚本を書いて演出を考えて撮れば「虚構」の世界を描けますよね。
でも、どちらにしても撮られている側が納得の上でカメラを回さないといけないし、変な「キリトリ」があっても誤解を招きます。
映像の表現は、本当にむずかしいだなと感じました。
それでも、スピルバーグの作ってきた作品には、どれも魂がこもっていて観ているこちら側に強く刺さってきますし、大きな感動を与えてくれます。
スピルバーグ監督は、今年77歳(12月18日生まれ)
これからも感動する映画を沢山作ってほしいと思います。
3)映画「フェイブルマンズ」の口コミと評価
次に映画「フェイブルマンズ」の口コミと評価をご紹介しますね。
『フェイブルマンズ』理不尽な差別を受け暴力を振るわれていたクズイケメンにカメラを向け被写体として輝かせてしまうという残酷な真実が描かれていたのには感動した。写された本人がその輝きに動揺してしまう事も含め、写ってしまう怖さも素晴らしさも取り込んでしまうのが映画の底知れぬ力なのかも。 pic.twitter.com/HQEQ0NZ4qm
— 上馬場健弘 (@fortyguns) March 8, 2023
あのシーンはあの映画だな、とスピルバーグ映画のワンシーンがあちこちに隠されつつ、どうにもならない家族の辛さと愛しさと。
監督の自伝と思って映画秘話を期待するとちょっと違うけど、大切に何度も観たい、繊細に積み重ねられた宝箱のような映画。#フェイブルマンズ pic.twitter.com/rorjpvWlv5— あちゃ (@achachako) March 23, 2023
『フェイブルマンズ』を観た。映画というアートへ陶酔した少年が、身の回りで起る様々な事象をカメラで捉えながら成長していく。自身の体験にスポットライトを当てつつ、そこを切り口に映画の恐ろしい程の魔力を描き切るスピルバーグの手腕というか、ある種の冷徹さというか。色々感慨深い作品だった。 pic.twitter.com/FKCbw2tFgK
— Nishio (@Shin_zi_723H) March 21, 2023
4)映画「フェイブルマンズ」の予告編
次に映画「フェイブルマンズ」の予告編をご紹介しますね。
5)まとめ
いかがでしたか?
映画「フェイブルマンズ」のあらすじと感想をご紹介しました。
スピルバーグを知るには、まずは彼の父と母を知ることなんですね。
そして、3人の妹たち。
とても賑やかで和気あいあいの楽しそうな家族ですが、たった一人の息子としてスピルバーグは父と母の間を良い意味でも悪い意味でもカメラを通じてつないでいきます。
人にうまくなじめなくても結局は映画製作という強い武器で溶け込んでいくんですよね。
この作品で、カナダ バンクーバー出身の新鋭ガブリエル・ラベルが、サミー役に大抜擢!
スピルバーグからは、「ガブリエルが何本もホームランを打ってくれて満足している」と大絶賛の評価でした。
母親のミッツィには、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」「ブロークバック・マウンテン」「ブルーバレンタイン」のミッシェル・ウィリアムズ。
スピルバーグが、彼女を選んだ理由として「彼女には、親しみと懐かしさを感じた」と言っていたそうです。
父親のバートには、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」「リトル・ミス・サンシャン」「THE BATMAN-ザ・バットマン-」のポール・ダノ。
スピルバーグは、彼に対して「ある種の現実主義的な部分が父と共通しており、また彼の俳優としてのキャリアに大きな信頼を持っている」と評価しています。
その他、ベニー役のセス・ローゲンに対して、スピルバーグは、「彼が第一候補で、他にはいなかった」とまで言われているので、それだけ本人に似ていたのでしょうね。
安心できるベテラン俳優を脇に固めて、新鋭のガブリエルに思う存分、サミー役をこなしてもらったわけで、スピルバーグ自身とても満足いく作品ができあがったようですね。
スピルバーグは、「この物語を語らずに自分のキャリアを終えるなんて、想像すらできない!」とまでコメントしています!
ぜひ、劇場でご覧くださいね。
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