映画「怪物」のあらすじと感想【是枝裕和&坂元裕二&坂本龍一の最強タッグ!】

ゆっちゃんの映画ブログ邦画

こんにちは
映画マニアのワーキングマザー、ゆっちゃんです。

怪物、だーれだ

映画「怪物」のちょっと変わったキャッチコピーです。

この作品は、今年の第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞と日本で初めて「クィア・パルム賞」を受賞しました。

クィア・パルム賞は、2010年に創設されたもので、LGBTやクィアを扱った作品に与えられる賞なんです。

クィアとは、性的マイノリティや既存の性のカテゴリーに当てはまらない人々の総称だそうです。

私は、カンヌ映画祭で賞を取ったんだぁ、すごいなぁっと思っていただけで、内容は、教師と親と子供の学校現場でのいじめや暴力の話だとばかり思っていました。

でも、映画を観ているうちに「あれ?」と感じ始め、「そっちの方向かぁ」と納得した次第です。

「そして、父になる」「万引き家族」等血のつながりとは、家族とは、と常に考えさせる作品を世に送り出してきた是枝裕和監督とテレビドラマ「Mother」「annone」「大豆田とわ子と三人の元夫」などの脚本を手掛けてきた坂元裕二のタッグで、この「怪物」が出来上がったんですよ!

この2人の作品と聞いただけで「早く観たい!」ってワクワクしてしまうのは私だけではないはず!

しかも、音楽はこの作品が遺作となった坂本龍一!

今回は、映画「怪物」についてレビューしたいと思います。

製作年:2023年

時間:125分

監督:是枝裕和

脚本:坂元裕二

音楽:坂本龍一

出演:安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子等

1)映画「怪物」のあらすじ

最初に、映画「怪物」のあらすじをご紹介しますね。

ネタバレはありませんので、ご安心ください。

大きな湖のある緑の多い山に囲まれた郊外。

ある日、麦野早織と11歳になる息子の湊が、マンションのベランダからすこし離れたビルの火災を眺めています。

湊が、「豚の脳を移植した人間は、豚?人間?」と質問し、早織は戸惑ってしまいました。

早織は、夫を事故で亡くしてから、クリーニング屋で働き、湊を一生けん命に育てていました。

しかし、最近、湊が自分の髪を切ったり、水筒の中に土が入っていたり、スニーカーが片方しかなかったりと気がかりなことが増えてきて、心配でなりません。

ある夜、帰りの遅い湊を心配して、早織は車で探し回ります。

そして、廃線後の真っ暗なトンネルの中でスマホのライトをつけて、「怪物だーれだ」と叫んでいるのを見つけましたが、まるで誰かを待っていたかのような雰囲気でした。

早織は、湊を車に乗せ、「お父さんに約束したんだよね。湊が大人になって結婚して子供生まれて普通の家族になれるまで、お母さん頑張るって」と言います。

すると、何かに我慢できずに湊は走っている車のドアをあけて外に飛び降りてしまいました。

早織は、驚いて車をぶつけて止めて、湊に駆け寄ります。

すると、湊は、「湊の脳は、豚の脳と入れ替えられた」と担任の保利先生に言われたと言い出して、泣き出しました。

早織は、それを聞いて、学校に抗議しに行きます。

校長先生、教頭先生、保利先生、皆が死んだような眼をして、ひたすら謝ります。

早織は、その棒読みの謝罪に「私が話しているのは、人間?」と問い詰めるのでした。

早織と保利先生は、その後また対峙する場面に出くわします。

その時、「あなたの息子さんは、いじめをやっていますよ。星川依里をいじめています」と言い出しました。

早織は、怒りに震えながらも、帰宅後、湊の部屋から着火ライターがあるのを見つけて不安になり、事実確認しようと、星川依里の家へ行くと、依里の腕に火傷の跡を見つけてしまうのでした。

後日、学校で星川依里は、先生や生徒の前で、自分は湊にいじめられたことないと言い、保利先生は湊に暴力をふるっていると告げます。

数日後、学校で保護者が集められ、保利先生は暴力を認めて謝罪し、マスコミにも取り上げられてしまうのでした。

保利先生は、恋人にも去られ、自暴自棄になり死んでしまいたい気持ちになるのですが、ある日こどもたちの作文を読んで気づきます。

麦野湊と星川依里が仲の良い友達であったことを!

そして、雨風がふきすさぶ中、保利先生は、湊に謝りに家に向かいます。

しかし、その時湊と依里は忽然と姿を消したのです。

2人は、このあとどうなったのでしょうか?

続きはぜひ映画をご覧くださいね。

2)映画「怪物」の感想

次に、映画「怪物」の感想をご紹介しますね。

この映画を観た後、いろいろなことを考えさせられ、終わった後もしばらく余韻に浸ってしまいました。

そして、自分の単純さに悲しくなりました。

というのも、1つの出来事を違った視点でとらえることで物の見方が変わってしまうんだということに強く気づかされたからです。

最初は、母親早織の視点、次に保利先生の視点、そして子供たちの視点、そこで初めて全貌がわかるという・・・普段の生活でも一つのキリトリで勝手に決めつけてしまうことが多いなぁと感じました。

子供の水筒から土が出てきたり、スニーカーが1足しかない、とか親だとすぐに「イジメ」を連想してしまいます。

背景に何があったかなんて想像することすらできませんから、学校へ確かめに行きます。

学校は、教育員会やマスコミが騒ぐことを恐れて、事実を追求することをせずにとにかく謝ればよいという姿勢のため、事実は解明されることがありません。

すべて、コミュニケーションが足りない、言葉が足りない・・・ここから発する悲劇って多々あると感じます。

保利先生演じる永山瑛太の無表情で「だいじょーぶ?」って感じの演技から、「いや、普通じゃん」て感じの演技への転換がすごい。

見方を変えるだけで人への感じ方が変わってしまうという恐ろしさ・・・。

そして、子供たちのゆらいだ性の感覚・・・。

私は、最初LGBTQに関する内容だと全く知らずに鑑賞していたので、途中、湊と依里が顔を近づけた後に、依里が「大丈夫だよ。僕も時々そういう時があるから」っていうセリフが頭の中で何となく違和感として残っていました。

でも、観ていくうちに「ああ、そういうことか」と感じました。

最後のシーンは、何だか涙が止まりませんでした。

坂本龍一の音楽は、本当に心の中に入り込んできて感動してしまいますね。

最初から最後まで目が離せず、セリフも一つ一つ聞き逃したくない気持ちでした。

誰が怪物なのか?

いえ、誰もが怪物になりうるのでは?

それは、きっと観る人たちが決めればよいのかなと思います。

本当に素晴らしい作品でした。

まだ、観ていない方もいらっしゃると思うので、あまり詳しくは書けませんが、ぜひ観てほしい作品です。

3)映画「怪物」の口コミと評価

次に、映画「怪物」の口コミと評価をご紹介しますね。

4)映画「怪物」の予告編

次に、映画「怪物」の予告編をご紹介しますね。

5)まとめ

いかがでしたか?

映画「怪物」のあらすじと感想をご紹介しました。

役者さんの見事な演技力で、すっかりストーリーに入り込めました。

特に、子役の2人が素晴らしい。

湊演じる黒川想矢くんは、2009年生まれの埼玉県出身。

是枝監督から言われて印象に残っていることは、演技はコップで、コップに何かを入れた時にそのコップはどうなるのか?割れているのか?分厚いのか?素材は何か?等を考えてみるとよいと言われたことだそうです。

依里演じる柊木陽太くんは、2011年生まれの京都府出身。

NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」月9「PICU小児集中治療室」等に出演して注目されました。

今回の映画では、嵐の中を動き回ったりするシーンがたいへんだったそうですよ、可愛いですね。

2人の今後の活躍に大いに期待したいです。

是枝監督の作品は、「誰も知らない」「そして、父になる」「万引き家族」など子供がすごく魅力的に描かれています。

監督は、きっと良い子役を選ぶ目を持っているんだなと思いました。

子供たちの遠くを見る眼差しが、とても美しい!

これからも是枝監督の作品には注目していきたいです。

 

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