
こんにちは、映画マニアのゆっちゃんです
「語られたくない事実」
映画「月」のキャッチコピーです。
監督は、「舟を編む」「川の底からこんにちは」「愛にイナズマ」などで高い評価を得た石井裕也。
この作品は、2016年に起きた相模原障害者施設殺傷事件(津久井やまゆり園事件)を題材にした衝撃的なヒューマンドラマ。
この事件は、あまりにも衝撃的で絶対に忘れることのできない事件だと思います。
事件の概要は、下記のとおりです
2016年7月、知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者など46人が次々と刺され、入所者19人が死亡、職員3人含む27人が重軽傷を負った事件で、戦後最悪の大量殺人事件として、日本中を震撼させました。
この映画では、障害者が生きる意味や観たくないものを見てこなかった私たちに深く切り込んできます。
そして、人間の尊厳についてもっと考えろと教えてくれます。
今回は、この映画「月」」についてレビューしたいと思います。
製作年:2023年
時間:144分
監督・脚本:石井裕也
原作:辺見庸
出演者:宮沢りえ、オダギリジョー、磯村勇斗、二階堂ふみ、板谷由夏、モロ師岡、高畑順子、原日出子、鶴見辰悟等
1)映画「月」のあらすじ
まずは、映画「月」のあらすじをご紹介しますね。
ネタバレはありませんのでご安心ください。
デビュー作がヒットして有名になった作家堂島洋子は、その後最愛の息子を3歳で亡くしてから何も書けなくなっていました。
夫の昌平は、洋子を「師匠」と呼び、何とか励まして日々を過ごしていましたが、自分自身は映画監督を目指し、フリーター状態。
洋子は、現実逃避もしくは何かを打開したくて障害者施設で働くことにしましたが、そこで陽子という明るい職員と出会います。
ある日、きいちゃんという寝たきりの障害者の部屋に案内された洋子。
きいちゃんは、話せないし立てないし歩けない状態で10年以上ベッド上で過ごしていると陽子は言いました。
その上、見えないし聴こえないので意思疎通はできないとのこと。
洋子は、きいちゃんのベッドに書いてある生年月日をみて、自分と同じ生年月日だと気づきます。
ロッカーで、陽子が「堂島洋子さんてあの有名作家さんですよね」と言ってきました。
洋子は、自分はもう書けなくなっちゃったと言い、だから施設で働いてみようと思ったと言うと、陽子は、
「私、洋子さんに似ているような気がします」と笑顔で返しました。
施設では、さとくんという明るい男性職員がいて、入所者に紙芝居を聞かせています。
夜になると、洋子に「夜は危ないので早く帰った方が良いですよ」と言ってくれます。
ある日、洋子は友人の産婦人科医から、妊娠5週目と言われました。
洋子は、高齢出産に対しての恐怖から、子供に異常があるリスクがあるか友人に聞きました。
3歳で亡くなった息子の件もあり、とても不安に思う洋子に友人は、「翔一君は、障害ではなく生まれつきの心疾患なんだよ。病気だったんだよ」と言いますが、洋子は不安いっぱいです。
家に帰ると、昌平が3歳で亡くなった翔一の画像を観ていました。
洋子はついカッとなり、昌平に「あなたは、いつも無責任でいいわね。へらへら笑って好きな時に逃げて」と言ってしまいます。
洋子は、仕事が終わった後に、陽子に妊娠したが、亡くなった息子のことで不安がいっぱい、しかも夫にはそのことは言えないと話します。
その後、洋子の家でさとくんとさとくんの彼女、陽子を呼んで夕食に招待しました。
そこで、さとくんは、死刑の時の首に巻かれた縄が、脛骨を砕いて、スゴイ音がでるらしいんですと話し出し、その時に糞尿もまき散らすから、音だけでなく匂いにもこだわった方がよいと言った時に、昌平が遮り他の話に変えました。
そして、今度は陽子が、洋子がかつてヒットさせたベストセラー本に対しての批判を始めました。
そして、その後に、お酒の勢いで洋子が妊娠したことを話してしまい、昌平はうつむいてしまいます。
洋子は、一人でベッドで横になり、確かに自分に都合の良いものだけを見てきた、その他はすべて排除してきたと感じていました。
かつて東日本大震災をテーマにした作品がベストセラーとなった時に、不必要なことはすべて排除し、読者を励ますことだけを書けと編集者に言われてから、まったく書けなくなった、ということを思い出しました。
看護師が、きいちゃんの胃ろう処置をしているときに、さとくんは、あんたは何のために産まれてきた、なんで生きてるとつぶやきます。
洋子は、昌平に「翔一に会いたい」と言い、2人でお墓参りに行きました。
そして、洋子は自分が妊娠していて、まだおろしていない、でもどうしようか悩んでいると昌平に伝えます。
昌平は、とても喜び、2人の絆は強まるのでした。
ある日、施設長が近づいてはいけないという高城さんの部屋から大きな声がしたということで、洋子、陽子、さとくんは部屋に行きます。
部屋を開けた途端に、糞尿のものすごいにおいがし、雷の光で裸で糞尿まみれの高城さんが見えました。
それを見たさとくんは、「俺は、あんたと違う」とつぶやきます。
事務所に戻ったさとくんは、洋子に、「僕もあなたと同じ考えです。むだなものはいらないんですよね」と言いました。
洋子は、さとくんに大きな不安を感じていました。
ある時、洋子が、再び筆を執る決心をし、それを昌平は見抜きます。
昌平は、洋子のサポートをしようと誓いました。
ある日、洋子は、施設の中で虐待やネグレクトがあると施設長に訴えますが、「私たちはマニュアル通りにやっています」とつっぱねられました。
洋子は、休みの日にさとくんの考えを聞こうと職場に行きます。
「さとくん、今何を考えているの?」と聞くと、さとくんは「全然生産性のない障害者を安楽死させようと思っています。ようやく決心がつきました」と淡々と話し、洋子は驚愕します。
洋子は、自分はさとくんとは考えは違うと言いながらも、「ほんとうにそうだろうか?」と自問します。
後日、施設長から、さとくんがある政治家に手紙を書き、内容は、
「世の中を良くしたいので、障害者を殺します」というものだったそうです。
さとくんは、精神科に入院することになりました。
さぁ、さとくんは、これからどんな暴走をするのでしょうか?
洋子は、お腹の中の子供について昌平とどんな決着をつけるのでしょうか?
続きは映画を御覧くださいね。
2)映画「月」の感想
次に、映画「月」の感想をお伝えしますね。
この映画が公開された時に、相模原の障害者施設「やまゆり園」の大量殺人事件を題材にした作品だと知り、ぜひ観たいと思っていました。
また、監督が、「川の底からこんにちは」「愛にイナズマ」の石井裕也と知り、余計興味を持ちました。
磯村勇斗が演じるさとくんが、「意思疎通ができない人は、人ではないから世の中のために殺しても良い」と言い切るシーンは、とても恐ろしかったですね。
そして、きちんと自分の中で目標を決めていて、勤務している施設ともう一つの施設合わせて260人を殺すためには、体力つけて頑張らないいけないからボクシングジムで鍛えたりしていたのが、何とも間違った方向に進んでしまったなと感じました。
磯村勇斗は、この役で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。
彼は、コメディでもOK、サイコな役もOKで、これからいろいろな役で頑張ってほしいですね。
宮沢りえも素晴らしい演技でした。
宮沢りえが演じる洋子は、観ている私たちが感じることをそのまま代弁しているような気がしました。
もし、自分が妊娠している子に異常があった場合、「産もう」って言えるだろうか?
たぶん「NO」です。
障害者が近くにいると、つい離れてしまう自分がいます。
それは、きっと小さい頃からいろいろな子たちと一緒に過ごすことが無かったからかもしれません。
障害の有無を問わずに、お互いの人権や尊厳を守れるような環境作りが大切だと考えます。
この作品では「障害者の生きる意味について、あなたならどう思う?」と強く投げかけています。
それについて、私たちは自問自答していくことが大切だと思います。
とても見ごたえある作品で、時々見直してしまう映画の一つになると思いました。
3)映画「月」の口コミと評価
次に、映画「月」の口コミと評価をご紹介しますね。
「月」鑑賞。相模原障害者施設殺傷事件を題材にした映画。宮沢りえの立ち位置がややフワッとしていたが、磯村勇斗と二階堂ふみが怪演だった。実際の障がい者の方々を役に起用したことが映像の密度を濃くしている。意志を表せない人は、人なのか?という問いが突き刺さる。 #映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/Lkfa70oZik
— 勝浦雅彦 新著「ひと言でまとめる技術」ツアー開催 (@katsufootball) April 11, 2025
映画 #月
— アミエーラ (@amiera20amiera) October 23, 2025
多くの人が蓋をし知った風に目を背ける事実はあれも嘘だしこれも綺麗事、でもそれも本音だしどれも真実
自らに問い続けていくしかないんだろう
人としての境界や心の在処、磯村勇斗が彼らと自分の間に置いた明確な一線が仮に動機としてストンと腑に落ちてもそれもまた違うのだろうなきっと pic.twitter.com/RQWksfnwhp
4)映画「月」の予告編
次に、映画「月」の予告編をご紹介しますね。
5)まとめ
いかがでしたか?
映画「月」のあらすじと感想をご紹介しました。
この映画に登場する障害者は、実際の障害者の方が出演しているそうです。
この映画は、とても衝撃的でトラウマになりそうな内容ですが、実際にあった事件を元にしているということで、余計恐怖を感じます。
イラストを描くのが好きな普通の青年が、なぜ大量殺戮をしてしまったのか、その青年だけのことを考えるのではなく、そうさせてしまった社会全体の仕組みを考え直すべきなのではと強く思いました。
いろいろと考えさせられる映画は、他にもあります。
映画「ロストケア」も高齢者の介護地獄の話が描かれています。
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