
こんにちは
映画マニアのワーキングマザー、ゆっちゃんです。
「その才能が、血筋を凌駕する」
映画「国宝」のキャッチコピーです。
歌舞伎の世界、上映時間が175分とちょっと近寄りがたい前情報のため、公開後、すぐに飛びつくという感じではありませんでした。
しかし、この作品があちこちで大絶賛されていることに少し心が動き、早速映画館へ。
歌舞伎は全く興味が無いのですが、主人公の生きざまと壮大なBGMの前で舞う2人の女形の圧倒的なビジュアルに心をわしづかみされました。
作者は、「悪人」「怒り」の吉田修一。
監督は、「悪人」「怒り」を映画化した李相日(りさんいる)。
主演は、今一番美しい日本人俳優(私が思うに)の吉沢亮と横浜流星。
W主演と言っても良いくらいの2人の演技には目を見張りました。
この2人は、2011年「仮面ライダーフォーゼ」で共演しているんですよね。
そして、2人共大河ドラマで主演張っている(吉沢亮は「青天を衝け」、横浜流星は「べらぼう」)だなんて、まさしくホントの宿命のライバルと言っても良いかもしれません。
吉沢亮は、歌舞伎のけいこを1年半こなし、女形としての立ち居振る舞いなどを徹底的に身に付けたそうです。
すごいプロ意識ですね。
今回は、世間でもまだまだ興奮冷めやらぬ、映画「国宝」についてレビューしたいと思います。
製作年:2025年
時間:175分
監督:李相日
出演者:吉沢亮、横浜流星、渡辺謙、寺島しのぶ、高畑充希、森七菜、三浦貴大、見上愛、永瀬正敏、田中眠等
1)映画「国宝」のあらすじ
最初に、映画「国宝」のあらすじをご紹介しますね。
ネタバレはありませんのでご安心ください。
1960年代、任侠の一門に生まれた立花喜久雄は、抗争で目の前で父親を殺され、天涯孤独の身となります。
父と親交のあった歌舞伎のスター花井半次郎に拾われ、歌舞伎の道へと進むことに。
半次郎には喜久雄と同い年の息子、大垣俊介がおり、2人は兄弟のように、そしてライバルとして切磋琢磨しながら芸の道を極めていきました。
俊介は、父親の心配をよそに友人たちと遊びまわっていましたが、喜久雄はひたすら歌舞伎の魅力に取りつかれ日々練習を積んでいました。
ある日、半次郎が事故で入院し、代役を誰にするかという時に、半次郎は息子の俊介ではなく喜久雄を選びます。
歌舞伎の世界は、世襲制のため血筋が絶対です。
にもかかわらず半次郎は喜久雄を選んだ・・・。
当然、周りから猛反対を受けますが、半次郎の気持ちは変わりませんでした。
俊介は、当たり前のように半次郎の代役は自分だと持っていただけにショックを隠せず、家を出て行ってしまいます。
喜久雄は、半次郎の代役を立派にこなし、その後も歌舞伎役者として成長を続けます。
血筋のものではない喜久雄が、半次郎の跡目を継ぐことになることで苦難の道を進むことになります。
3代目半次郎の襲名式で、2代目が吐血し倒れ、舞台では大騒ぎ。
そして、心配する喜久雄の前で「シュン坊」と実の息子、俊介の名前を漏らした。
俊介がいなくなってから、ずっと芸を磨き成長してきた喜久雄にとって、やはり「血」の重みを感じずにはいられませんでした。
その後、半次郎が亡くなり妻幸子は、息子の俊介を呼び戻しました。
3代目になったものの、血の結びつきの無い喜久雄は、後ろ盾を無くし、大きな役ももらえなくなっていました。
その上、喜久雄のスキャンダルが発覚。
実家がヤクザだったこと、背中の刺青、隠し子がいたことなどマスコミに書きたてられた為、ますます喜久雄は追い詰められることになったのです。
一方、歌舞伎界に戻ってきた俊介は「帰ってきた歌舞伎界のプリンス」と呼ばれ、人間国宝の万菊(元:白虎)のもとで復活を果たすことができました。
喜久雄は必死になり、よい役をもらおうと好きでもない歌舞伎界のお偉方の娘に手を出し、干されてしまいます。
それでも歌舞伎の芸を忘れずに、宴会場など飲み会の席などで披露して回る日々。
血を持つ俊介、芸の才能のある喜久雄、この2人はこの後どのような人生を送っていくのでしょうか?
とても見ごたえもあり、歌舞伎を知らなくても2人の美しさに見入ってしまいます。
2)映画「国宝」の感想
次に、映画「国宝」の感想をご紹介しますね。
最初は、歌舞伎は興味ないし、時間も3時間近くということで、少し躊躇しました。
でも、巷の評価がとても高く、映画好きの私としては、見なくちゃいけない!と思い、劇場へ足を運びました。
ヤクザの家で生まれたけど、芸の才がある喜久雄(吉沢亮)と生まれながらにして歌舞伎界の一族の血を引く御曹司俊介(横浜流星)の2人が女形として、「二人藤娘」「曽根崎心中」など本物の歌舞伎役者じゃないかと思う位、迫力あり目が釘付けになるような舞を魅せてくれました。
喜久雄を演じた吉沢亮の鬼気迫る演技力に引き込まれ、芸の才能の無さに嘆く俊介演じる横浜流星の苦しんでいながらもどこかボンボンだなと思わせる能天気さが良い。
15歳の頃から歌舞伎の世界で育ってきたはずなのに、喜久雄の垣間見せるヤクザの血をも思わせる迫力もすごいと思います。
少し不思議な感じを受けたのは、高畑充希演じる春江です。
喜久雄の幼馴染で、一緒に背中に刺青を入れた仲なのに、いざプロポーズされた時に断り、その後逃げていった俊介と結婚しています。
でも、最後の最後まで喜久雄の歌舞伎を微笑みながら観ていました。
春江は、本当に歌舞伎というものが好きだったのか、それとも喜久雄が演じる歌舞伎の芸に惚れたのでしょうか?
3時間近い内容にもかかわらず、3時間では短いんじゃないか?と思ってしまうほど十分な内容でした。
というよりも、この作品が、喜久雄の長い人生のストーリーのため、かなり間をカットしていたように思います。
ネットを見てみると、当初4時間30分だったのが、3時間まで縮めたそうです。
そう思うと、いつか完全版を見てみたい気持ちになりました。
吉沢亮がビルの屋上で赤い布をまとい、メイクが崩れたまま踊っているシーンがありましたが、映画「ジョーカー」のホアキン・フェニックスを思わせます。
そして、ホアキンのような怪演ぶりを吉沢亮もまた見事に演じ、それは背筋が凍るほど迫力がありました。
もう一度観に行きたいくらいの作品です。
3)映画「国宝」の口コミ・評価
次に、映画「国宝」の口コミと評価をご紹介しますね。
4)映画「国宝」の予告編
次に、映画「国宝」の予告編をご紹介しますね。
5)まとめ
いかがでしたか?
映画「国宝」のあらすじと感想をご紹介しました。
監督の李相日の名前はよく聞きますが、いつも読み方がわからないです。
「りさんいる」と読むそうです。
この監督の作品は、どれもずしんと心にのしかかるようなものが多いような気がします。
「悪人」「怒り」「流浪の月」などとても見ごたえあります。
また、李監督は作品を1本作るごとに歯が1本抜けるとのこと。
そして、今回のこの「国宝」。
吉田修一の長編小説を見事に映画化し、歌舞伎の世界や人間の憎悪を「美」「音」「演技」すべて完璧に表してくれました。
本当に素晴らしい作品です。
まだ、観ていない方は是非一度ご覧ください。
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